市民ボランティアが大活躍2014年07月23日 09時04分44秒

東大和市がどこにあるか、皆さんご存じでしょうか。西武新宿線の支線である西武拝島線(小平~拝島)の途中にある町で、駅は玉川上水の東隣です。ハーモニーホールという手頃でいいホールがあり、私も何度か足を運んでいます。

ここで7月19日(土)に行われた「第3回アンサンブルフェア」に、不肖私、審査員として呼ばれました。市民による家族的な音楽コンクールというイメージで、参加団体には人数にして2~16名。指揮者なし、という条件がついています。平素指揮者のもとで練習しているグループも、アンサンブルとして出演することになるわけです。

世に「手作り」のイベントはたくさんあるでしょうが、東大和のアンサンブルフェアは、まさにその典型。河本順子さん率いる実行委員会の働きぶりは、すごかったです。出演団体も、皆さん生活を背景にして出てこられ、人間と生活のハーモニーというべきものを届けてくれる。たとえば、障がいのある方を積極的に受け入れている喫茶店がスタッフ全員参加で響かせた合唱は、本当に心温まるものでした。

高橋薫子さんと2人で行った審査は、すんなり進行。審査員賞という主観的な枠がありましたので、施設や病院を訪問しているというちょっとひたむきな合唱団(MGハミング)を選出して、終了後の打ち上げに臨みました。

打ち上げは、可動式の客席を片付けて生まれるホール空間で開かれました。ほとんどの団体が参加され、角田和弘さんらの歌のサービスもあって、たいへん盛り上がりました。しかし、審査員と参加者が乾杯する打ち上げって珍しいですね。審査結果を歓迎する参加団体は当然限られるはずですから、いつもはそそくさと姿を消すのが審査員です(笑)。

こういう市民ボランティアのがんばりが音楽文化を下から支えているんだなあと実感するイベントでした。発展するといいですね。

《マイスタージンガー》で始まった土曜日2014年07月21日 07時38分08秒

第三土曜日(19日)の朝は、恒例の「たのくら」。1幕ずつ進めているワーグナー講座が《ニュルンベルクのマイスタージンガー》に入りました。内容理解を考えると、鑑賞には日本語字幕が必須。市場を調べると現在はレヴァイン指揮のメトロポリタン盤しかなく、手持ちのそれを使うことにしていました。

ところが前夜チェックしてみると、合唱もオーケストラも、バイロイトとは比較にならない。前奏曲が盛り上がったあと教会のコラール唱があらわれる感動の幕開けが、まずまったく違います。この作品ばかりは、文化の体感が演奏に必要なようです。

そこで古いですがシュタイン指揮、バイロイトのLDを使うことにし、会場でプレーヤーを引っ張り出してもらいました(DVDも購入したのですが、日本語字幕なし)。苦肉の策です。

ところが、持参した1枚が、第3幕!この日は第1幕でしたので使えず、部分比較のために持参したバレンボイム指揮のバイロイト盤(1999年)を、英語でご覧いただく羽目になりました。しかし買ったばかりのこれば、じつにすばらしかった。綱渡りの結果オーライという、私によくあるパターンになりました(汗)。かつては批判されたヴォルフガング・ワーグナーの演出ですが、にじみ出るオーラは本物と受け止めました。

大急ぎで会場の錦学習館を後にし、東大和市のすてきなハーモニーホールへ。うっかり同じ日に入れていたのですが、なんとか移動することができました。このイベント、「アンサンブル・フェア」については、次の更新でご報告します。

「古楽の楽しみ」でヘンデルを2014年07月18日 09時38分57秒

再放送をはさんで少し間隔の空いた「古楽の楽しみ」。昨日、今月分の2回目の収録をしました。今月はヘンデルです。

4人で大まかな分担をして放送していますが、イギリスは担当を決めず、自由にやろうということになっていました。しかし全体として取り上げが少ないという話になり、私もこれからは積極的にやっていこうと決心。その第一弾として、「キャノンズのヘンデル」という特集を組みました。

ヘンデルがロンドンのオペラ活動から離れ、キャノンズのブリッジス(後のシャンドス公爵)の邸宅で活躍していたのは1717~18年。バッハのケーテン時代と対応しています。この時期が重要なのは、英語による作品がまとまって書かれていること。百合の咲く谷間のようなイメージでしょうか。英語作品にトリオ・ソナタをからめる形で、プログラムを組みました。

28日(月)は、牧歌劇《エイシスとガラテア》。演奏はちょっと古いですがガーディナーです。29日(火)はシャンドス・アンセムの《鹿が谷川を慕いあえぐように》と、その音楽と関係をもつ、2つのトリオ・ソナタ( op.2と op.5から1曲ずつ)。演奏はアンセムがレイトン指揮のもの、トリオ・ソナタはザ・ブルック・ストリート・バンドとレコール・ドルフェです。

30日(水)は、シャンドス・アンセム《主は私の光》と、2つのトリオ・ソナタ。アンセムの演奏はザ・シックスティーン、トリオ・ソナタはザ・ブルック・ストリート・バンドとロンドン・バロックです。31日(木)はオラトリオ《エステル》。ジョン・バットの新録音を使いましたが、バットが好調で、エンジン全開。ご期待ください。

ヘンデルの音楽というのは、何を聴いても「これは一度聞いたことがあるぞ」と思わせる親しみやすさがあります(=当時、いい音楽の必要条件とされていたこと)。じつは初めて、ということもあれば、じっさいに別の作品でインプットされていることも多い。いずれにしろ気持ちがよく朝向きでもありますので、またぜひやろうと、アシスタントと話し合いました。

もうひとつ、旧約聖書に基づくヘンデルのオラトリオは、新約聖書に基づくバッハの教会音楽とは相当に遠いところにあるとも実感。これは本質的な問題なので、別の機会に述べたいと思います。

ワーグナーに回帰中2014年07月17日 00時57分19秒

8/1のモンテヴェルディ・コンサート、マスコミに取り上げられることもない、ささやかなコンサートです。しかしご紹介すると関心をもっていただけるようで、今日も朝日カルチャーセンター新宿校で何人ものお客様にご来場いただけることになりました。ありがたいことです。 

その朝日新宿の、ワーグナー講座。今は《神々の黄昏》の第1幕をやっています。レファレンスにはバレンボイム/クプファーのバイロイト盤を使っていますが、今日は比較のためにルイージ/ルパージュのメト盤と、ブーレーズ/シェローのバイロイト盤を鑑賞しました。大衆志向、「皆さんよっていらっしゃい」というメト盤と、シリアスな探究のバイロイト盤の違いは絶大。それにしても、DVDにリメイクされたブーレーズ/シェローのすばらしさは格別で、いまでこそわかるその歴史的価値、という感じです。パレンボイム/クプファーもよく、クプファー演出による秋の新国立劇場《パルジファル》が、楽しみでなりません。 

ワーグナーに回帰している昨今ですが、日本ワーグナー協会の機関誌『ワーグナー・シュンポシオン』の最新号が送られてきました。私はここに、完結した注解付き協会訳台本全10巻(白水社)の書評を書いているのです。膨大な時間を費やして完遂された画期的お仕事の書評は重荷以外の何ものでもなく、苦労しました。立場上避けられない、と思っての作業でした。 

たいへん勉強になる作業でしたが、それなりに自分の意見も生まれ、結果として、相当な私論に。書きすぎたかなとも思い、気にしていました。開いてみると編集長から「独自の識見に基づいた、読み応えのある重厚な書評」というご紹介をいただき、安堵したところです。「重厚」という言葉をいただいたのは、これが初めてです(笑)。

だからというのではありませんが、ワーグナーの研究情報の満載されているこの機関誌、非会員でも購入できますので、ご紹介しておきます。1990年代に、私が編集長を務めていた雑誌です。


モンテヴェルディ、リハーサル始まる2014年07月14日 08時56分58秒

ご案内している8月1日、サントリーホール・ブルーローズにおけるモンテヴェルディのコンサート、昨日日曜日に、横浜の渡邊邸で初練習しました。10時から、夜の9時まで!時間差はありましたが全員が参加し、ほぼ全体像が見えてきました。

今回ヒロインとしてご参加いただいた、加納悦子さん。ヤーコプス指揮の《ポッペア》における小姓役での活躍はDVDでおなじみですが、今回のペネーロペとオッターヴィアは初役とか。にもかからわず誰よりもよく勉強してこられ、早くも圧巻の歌唱で、一同感嘆。これが一流というものなのですね。

《ウリッセの帰還》を手がけるのは、今回が初めてです。当初は《ポッペアの戴冠》と比べるとずいぶん見劣りするように思っていたのですが、勉強するにつれ、真価がわかってきました。今回取り上げるのは4つの場面も、お楽しみいただけると思います。

いい公演にできるよう、みんなで努力してまいります。

綱渡り続く2014年07月11日 10時34分10秒

毎回同じような記述になってしまって恐縮ですが、9日(水)の綱渡り記にお付き合いください。

この日は、サントリー音楽賞&佐治敬三賞の贈賞式で、私は、乾杯の発声をするという役割をいただいていました。手帳によれば、18時からのスタート。昼間はNHKの準備に費やし、16:30に家を出るために、16:00からの30分を、原稿の用意に宛てるつもりでした。3つの団体へのお祝いの言葉を、磨き込んだ形で差し上げようと思ったからです。

16:00が近づき、入浴の前に場所を確認しようと案内状を探し出したところ、髪の逆立つような記述が。そこには、授賞式17時(!)から、祝賀会18時から、と書かれていたのです。

脱兎のごとく支度し、飛びだそうとして気付いたのは、腕時計が見あたらないこと。スマホがあればいいか、と思ったら、その充電を忘れている。大騒ぎで探すこと数分、タクシーが来てしまったので、一刻を争う状況ではあるが、時計なしで駅に向かいました。

鞄の中を見ると、なんと時計が入っている。忘れないように、先に入れておいたらしいのです(それを忘れるという、よくあるパターン)。国立駅の階段を駆け上がると、そこに電車が来るという幸運に恵まれ、17:00少し前にサントリーホールにたどり着くことができました。

そうしたら意外にも、私は胸に花をつける来賓扱いで、堤剛さん以下受賞者の揃う待合室に案内されるではありませんか。会場にも、堤さん、3人の受賞代表者(鈴木雅明さん、有馬純寿さん、ローラン・テシュネさん)、文化庁長官といっしょに入場し、一列目に着席。ああ間に合ってよかったと、何度も心で反復しました。

テレビ朝日のすてきなアナウンサー、坪井直樹さんの快活な司会で会は進み、ついに乾杯のシーンへ。原稿が作れなかったので若干の破綻はありましたが、心配した立ち往生はなく、務めることができました。鈴木雅明さんは「・・とバッハ・コレギウム・ジャパン」という形での受賞なので、そのことの重要性に触れ、メンバーがいっしょに主役として輝けるような、愛のある演奏を追求して欲しい、と申し上げました。

世界的に評価のある団体の功績を本賞で顕彰する一方で、限られた聴衆を前に行われためざましいコンサート(東京現音計画の「イタリア特集Ⅰ」とアンサンブル室町の「東方綺譚」)を紹介するお手伝いができ、末席にいる人間としても嬉しい気持ちの残る、今年の授賞式でした。それにしても、間に合ってよかった!

お詫び続き2014年07月09日 12時58分16秒

大阪で2泊した翌日の土曜日(5日)は、横浜の朝日カルチャーで、モーツァルトの1日講座。昔のように「ぐっすり寝てしまって・・」ということはさすがに最近はないので、早く横浜に着き、自由時間を満喫。13:00から、講座になりました。

今回出した本のエッセンスをまとめて提示し、詳細は10月からの新講座(第4土曜日)で、というのが、カルチャーからいただいたご配慮。今回の見直しによって後期の作品がどんな風に違って見えてきたか、ということを鑑賞を交えてお話しし、ちょうど15:30になりました。10分間質疑応答で延長し、受講生とお別れをして、教室を出ました。

すると私を見つけた講座担当の女性が、驚愕の表情で駆け寄ってくるではありませんか。叫ぶようにおっしゃるには、「先生!今日は16:30までですよ!」と。

私も驚きましたね。2コマ、16:30とわかってはいたのですが、15:30が近づいてずいぶん話した気になり、すっかり錯覚していたのです。

大あわてで教室に戻り、ちりぢりになっていた受講生を再招集。あらかた集まっていただけたのですが、予定した話は終わっていたので、どうしたらいいかを頭で考えつつ、平身低頭のお詫び。幸い受講生から次々と質問を出していただけたので、なんとか形をつけることができました。うっかりもいいところで、まことに失礼しました。

8日(火)は大阪音大定例の講演のため、ふたたび大阪へ。大学で取り上げている《コジ・ファン・トゥッテ》の話をして欲しいということでしたので、持ちネタのまとめに精を出しました。最後の仕上げ(パワーポイント・ファイルへの楽譜の貼り込み)で時間が切迫し、新幹線に持ち込むか、仕上げてから急ぐかの選択に直面。後者を選択し、家を出ました。

そうしたら、南武線で「ホームから転落したお客様を救助」するという事故が起きてしまったのですね。新幹線の乗り継ぎも悪かったため、遅刻の避けがたい事態に。連絡通りの15分遅れで到着でき、ほっとして会場入りしたら、よれよれで息せき切ってやってくると思ったのに、意外に平然としていた、とのご感想が。なるほど、横浜のショックに比べて、対応が甘くなりました。次に万一のことがありましたら、よれよれでたどり着くようにいたします(笑)。

講演は、声楽のクラスからもたくさんの受講生が来てくださり、いいペースで進行。いつもながら、庄内駅前での打ち上げが、楽しい雰囲気でした。ありがとうございました。

ここは飲めます!2014年07月07日 23時59分11秒

大阪のおいしいお店を開発中。いずみホールからほど遠くないところにとてもいいお店を見つけたので、「ここは隠れ家にしておこう」という声を振り切って、ご紹介します。「Vivace」という音楽ファンにはうきうきするような名前をもつ、イタリアンのお店です。場所は京橋駅のそば、京阪国道沿いです。

まず、雰囲気がいい。お連れした方は皆さん、京橋(=コテコテの大阪)にこんなに洗練されたお店があるのか、とおっしゃいます。長身で感じのよい青年マスターと、愛嬌のある店員さんたちのもてなしも満点。特筆すべきは、選び抜かれたワインがとても安い値段で提供されていることです。カウンターもあり、深夜まで飲めますから、いずみホールのコンサート帰りには最高ではないかと思います。今回のロトさんがらみでは、二晩続けて行ってしまいました。


これはVivaceではないですよ。大阪から環状線で一駅、天満です。ここ大阪やねん、という感じのお店が密集している一帯。駅のすぐそばに「グリーンカレー専門店」というお店を見つけ、入ってみました。「メティ」というお店で、マスコミにも紹介されているようです。とてもおいしかったので、ご紹介しておきます。

ダニエル・ロト、空前の《大フーガ》2014年07月05日 23時47分07秒

更新が遅れました。木曜日の夜大阪入り。金曜日10時からの、ロトさんのリハーサルに備えるためです。今回のオルガン・シリーズの中では知名度的にも上の方なので期待していましたが、リハーサルを聴き、これはモノが違うぞ、という感じがひしひし。バッハのポリフォニーがすみずみまで明晰に、確信をもって表現され、曲ごとの存在感が、ただごとではないのです。「フランス人のバッハ」どころではない、本質への肉薄です。

誠実な方で、前日はレジストレーション(音決め)に終日、時間を費やされたとか。今回は、後半の枕に置かれるオルガニストへのインタビュー内容を前もって予告しておこうと考え、そんな苦労話を後ほど伺いましょう、と申し上げて、コンサートが始まりました。

バッハ最初期の《ノイマイスター・コラール集》の曲たちが目が覚めるほど立派に響き、初期作品《レグレンツィの主題によるフーガ》が信じられないほと壮麗に盛り上がって、前半が終了。さあ、危険がいっぱいの、インタビュー・コーナーです。

ロトさんのご厚意でドイツ語でやらせていただいたインタビュー。バッハの調性への取り組みとか、最後を飾る《大フーガ》BWV542の現代音楽そこのけの内容とかに話が向かいました。正直に申しますと、私はこの日とても集中力があり、細部に至るまですべて、克明に通訳できたのです。やっていて、よしっ、という気持ちになりました。

これが悪魔のいざない、落とし穴でした。ひとしきり通訳が終わったときに頭が真っ白になり、次の話題が、すべて飛んでしまったのです。こんな話をお聞きします、とこの日に限って前振りしていましたので、お客様には、本当に申し訳ないことをしました(汗)。

前半は通して演奏されましたが、プログラムの配列から考えて、途中で拍手を入れた方がいいように思いました。ロトさんは、どちらでもお好きなように、とおっしゃいます。そこで、トリオ・ソナタ(第2番ハ短調)の前後で拍手を入れていただくよう、お客様にお願いしました。結果として、トリオ・ソナタを、新鮮な気持ちで聴くことができました。リハーサルではやや重かったトリオ・ソナタが、本番ではとても滑らかになり、私の好きな第3楽章には、なんと美しい音楽だろうと、感動をもって耳を傾けました。

その後3曲コラールがあり、エンディングの《大フーガ》になります。そこまで通して、といったんお客様に申し上げたのですが、聴きながら、これは切るべきではないか、と思い始めました。仕切り直しをしてから《大フーガ》と向かい合うべきだ、と思われたからです。

でも一度言ってしまったし、どなたかコラールの後で拍手してくださるといいが、と思っていたら、ありがたいことに、拍手が出たのですね。これはお客様の殊勲。どうやらtaiseiさんだったようです(笑)。

超名曲、ト短調の《大フーガ》は、楽曲への深い理解とエネルギーにあふれた、空前の名演奏でした。これだけのコンサートを一生のうちになかなか聴けないのではないか、と思いつつ私が思い起こしていたのは、恩師、柴田南雄先生が私に語ってくださった言葉。それは、演奏の価値を決めるのは「音楽と向かい合っている人間の大きさだ」というものでした。

終了後、ロトさんに涙ながらに抱きついてしまい、たちまち親友に(笑)。応援してくださった方たちと、ビールを飲みました。その席で「指揮はなさらないのですか」と訊いたところ、「私はやらないが、息子がやっている。フランソワ=クサヴィエ・ロトという名前だ」とのこと。「エー っ!」と驚きましたね。このブログでも紹介したすばらしい指揮者、新譜がことごとく面白く、私が一番楽しみにしている指揮者が、なんと息子さんだったとは。

「ロート」とご案内していましたが、「ロト」と修正いたしました。はっきりそう発音しておられましたので。

モンテヴェルディやります!2014年07月01日 10時37分40秒

サントリーホール・ブルーローズでモンテヴェルディの宗教曲とマドリガーレを「愛の二態」と題して公演してから、1年が経ちます。その第二弾として、オペラ篇を企画しました。8月1日(金)、19:00からです。

今回は、晩年の二大名作、《ウリッセの帰還》と《ポッペアの戴冠》を、「愛の二態」として対比します。前者は、トロイア戦争から待てど暮らせど帰還しないウリッセ(オデュッセウス)を妻ペネーロペが貞節を貫いて待ち、ついに再会を果たすという純愛物語。後者は、皆様ご承知の通りの、悪女の野望が成就する物語です。踵を接して作曲された、あまりにも対照的な両オペラです。

今回は抜粋かつ演奏会形式ですが、キャストが自慢。昨年大成功した櫻田亮さんをウリッセとネローネに据えるのみならず、加納悦子さんがペネーロペとオッターヴィア役で出演してくださいます。《ウリッセ》冒頭の長大なモノローグがどれほど感動的になるかと、今から楽しみです。

加納さんはルネ・ヤーコプスの《ポッペア》プロダクションに参加され、こんなにいい曲があるのかと、心から思われたそうです。渡邊順生さんと学生たちで始めた《ポッペア》ですが、須坂、西国分寺、国立を経て、サントリーホールに進出できることになりました。そのご縁で、iBACHのキャストも、何人か出演します。その他のキャストは、以下の通りです。

人間のはかなさ&ポッペア/阿部雅子、時の神&セネカ/小笠原美敬、幸運の神&小姓/川辺茜、愛の神&エリクレーア/高橋幸恵、ミネルヴァ&パッラデ&侍女/渡邊有希子、セネカの親友たち/大野彰展、小藤洋平。器楽は伊左治道生、渡邊慶子、エマニュエル・ジラール、渡邊順生と発表されていますが、西山まりえさんもハープで華を添えてくださることになりました。

前売4500円でぴあに出ていますが、コメントで申し込んでいただければ、出演者割引でご案内します。なにとぞよろしくお願いします。